鈴木所長の受験FILE【ビジネス実務与信管理検定 2級】
※この記事は株式会社イー・コミュニケーションズが受験料を負担し、かつ原稿料をお支払いしています
取引リスク・与信管理・審査知識について学べる資格、「ビジネス実務与信管理検定」をこのたび受験してきたので、今回はその受験体験記を書きたいと思います!
実は私、この検定の存在を初めて知ったとき、その名称から「与信って銀行が企業に融資することだよな?」と、金融機関の人向けの資格だと勝手に勘違いしていたのですが、実際のところは、金融系に限らずすべての業種のビジネスパーソンに有益な内容です。
というのも、そもそも与信とは取引相手に「信用を供与すること」であり、これは単にお金を貸すということだけではなく、「販売した商品やサービスの代金受取を翌月末まで待つ」などの「商品は先渡し、代金は後日受領」の場合全般が該当するからです。
売上をすべて即現金で受け取れるようなビジネスであれば話は別ですが、「月末締め・翌月末払い」のようないわゆる「売掛金」が発生するビジネスであれば、業種にかかわらずどんな企業でも注意しなければいけない問題です。
いくら売上を立てても、実際に代金を回収できない(販売先の倒産などで)ことになれば意味がないどころか、仕入の金額分だけ損失を被ることになってしまうからです。
検定の出題範囲は大きく6つの領域に分かれており、
①与信管理の基礎
②信用情報の収集
③財務分析・定性分析
④与信管理制度の構築と運用
⑤契約法
⑥債権保全と債権回収
となっています。法務や財務の職種の方であれば日々の業務と直結する内容も多そうですが、顧客対応の最前線に立つ営業部門の方は普段そんなに意識していない内容かもしれません。
しかしこれは管理部門だけでなく、営業職をはじめとするすべてのビジネスパーソンが身につけておくべき知識だということを、この検定の勉強をしてみると実感できます。
あらためて整理すると、このビジネス実務与信管理検定は、売掛金を確実に回収するための取引先管理やリスク評価に関する知識・ノウハウを問う検定試験ということになります。
この検定には3つの試験ランクがあり、各級の主な対象は下記のようになっています。
3級
・1~2年程度の業務経験を有する社会人全般
2級
・1~3年程度の業務経験を有する審査部門のスタッフ
・営業及びその他の部門で3~5年程度の業務経験を有する社会人全般
1級
・3~5年程度の業務経験を有する審査部門のスタッフ
・営業及びその他の部門における管理職
3級は無料で随時オンラインで受験できる、お試し試験的な位置付けのランクです。
1級は3つの科目(1科目ずつ個別に受験する)にパスする必要があり、管理職クラスの高度な実務知識が必要となります。
どの級から受験するのも自由ですが、私は今回、まずは3級をステップとして、とりあえずは2級まで目指してみることにしました。
検定サイトの「学習方法」というページには、級ごとに参考書籍や合格対策アプリ、合格対策講座などの学習教材が紹介されています。
参考書については2級向けの『リスクはじきに目を覚ます』という書籍を入手し、また副読本として『取引先リスク管理Q&A』という本も活用してみました。
どちらもリスクモンスターという会社の著作で、『リスクはじきに目を覚ます』は2級の公式テキスト的な感じの書籍です。
けっこう分厚いのですが、そのぶん記述がていねいで、初学者でもわかりやすくかみくだいた感じで書かれています。
また各章末に確認問題が掲載されているほか巻末に用語集がついており、リスク管理上の重要なキーワードを理解するのに役立ちます。
それに対して『取引先リスク管理Q&A』はリスク管理のノウハウ集という感じの書籍で、実務上のリファレンスとしても活用できそうな一冊です。
たとえば「機械設備を担保に取りたい!何をすればいい?」「取引先が合併した!何に注意すればいい?」というような、与信管理上でしばしば課題になりそうな「こういうとき、何をしたらいい?」という各種トピックについてQ&A形式で解説しています。
各トピック2ページの見開き完結で端的に解説されており、サクサク読み進められる本なので、「分厚い教科書的な本を読むのは苦手」という方はこちらの本から先に読むとスムーズに学習が進みそうです。
また、各級の対策アプリについてももちろん活用しました。
3級アプリは全10問、2級アプリは全50問(6つの科目ごとに8~9問)のサンプル問題を解くことができ、問題ごとに詳しめに解説が書かれています。
無料なのでぜひ何度も繰り返し解き、どういう内容が問われるかをつかんでおきましょう。
ということでまずは3級を受験しました。
オンライン試験で、四択問題40問を30分間で解きます。
さっそく結果から書くと、100点満点中70点以上で合格となるところ、91点で合格でした。
ほかの検定試験でも、「もっとも入門的な級は、無料で随時オンライン受験できる」というものは少なからずあります。
一般的にはそういう「お試し試験」的な試験は、常識で考えれば普通に答えが選べるような問題も多く、無勉強で挑んでもけっこう高得点がとれてしまうゆるめの難易度のものも多いですが、ビジネス実務与信管理検定の3級はなかなか骨がある難易度だったと感じました。
法務や財務の知識がある程度あれば無勉強でも合格点(70点)近くとれる人もいるかもしれませんが、そうでもなければ無勉強で一発合格は難しそう、というくらいの難易度でしょうか。
試験システム上でアカウントを発行すればすぐにでも受験することができ、もし不合格になっても1アカウントにつき3回まで受験することができるので、気軽に挑戦できます。
3級をふまえて、次は2級です。
2級も「コンピュータで受験する試験」なのは3級と同じですが、受験の仕方は3級とは少し変わります。
CBT方式の会場受験(テストセンターを予約して受験しに行く)もしくはリモート受験(いわゆるIBT方式)の2通りから選択することができます。
今回私は「IBT方式の試験システムのUIや操作感などはどんな感じか体験してみたい」ということで、リモート受験のほうを選択してみました。
3級もいわゆるIBT方式ですが、2級受験時にログインするリモートテスティングの試験システムは3級とはまったく別物となっており、大きな違いはWebカメラ撮影などによるAI監視機能があるという点です。
3級はシンプルに試験システムにログインして受験するだけというフローで、本人確認なども厳格に行うわけではないのですが、2級試験は下記のような形で実施されます。
・受験中、Webカメラ(PC内蔵カメラ)で撮影・録画される
・受験前に身分証明書の提示(撮影)が必要
・PC内蔵マイクにより音声面での不正がないかもチェックされる
・受験中の離席は一切不可
・録画された映像は後日AI解析され、不正な動作がないかチェックされる
このように、一般的なIBT方式の試験システムと比べてもかなり厳格な不正防止対策がなされており、試験の公正性が担保されています。
リモート受験は自分の受けたいタイミングでいつでも受験できるのは本当に便利なのですが、
・机の周りをクリアにし誰にも邪魔されない受験環境を用意することが難しい人
・受験中のちょっとした行動が不正行為と疑われてしまわないか心配な人
・カメラ付きのPCを持っていない人
はテストセンターでの会場受験を選択するほうが無難かもしれません。
今回、2級の試験情報として検定公式サイトで公開されている内容の中で、個人的にちょっと気になっていたのが、「四択問題に加えて記述問題が出る」ことと、合格率が「27.9%」とかなり低めなことでした。
CBTやIBT方式の試験はその性質上、試験内容に関する情報を外部に漏らすことは厳格に禁止されており、ネットで「受験者の声」的なものを情報収集しようとしても限界があるのですが、「対策アプリの問題よりも難しい問題が出る」「1回では合格できなかったので2・3回受けた」という声がかなり見られました。
なのでそれを見越して念入りに準備・対策をして試験に臨みました。
ということで2級を受験。
四択問題・記述問題50問を60分間で解きます。
感触としては、事前に想定していたよりもさらにもう一段階難しめという印象でした…(笑)
以下、書いちゃって問題なさそうな範囲内で所感を書いてみますので、これから受験される方はぜひ参考にしてください。
ただ、試験問題は大量の問題ストックの中から受験者ごとにランダムに出題されるので、あくまで「私の受験時はこうでした」という内容だということをあらかじめご了承ください。
まず懸念だった記述問題についてですが、全50問中10問ほどが記述問題でした。
記述問題といっても文章を書いたりする問題はなく、問題文中の空白部分を埋める問題(用語を解答欄に入力する穴埋め問題)がほとんどでした。
ただ、計算問題(計算結果の数値を解答欄に入力する問題)も少し出ます。
用語の穴埋め問題は、与信管理に関連する実務知識や法律・財務に関連する用語(キーワード)を答えるのですが、どの問題も「試験問題として絶妙なところを突いてくるなぁ」というワードを問われる印象です。
決して「重箱の隅をつつく」ような細かすぎる用語を問う問題ではないのですが、知識が曖昧だと「あれ?なんだっけ?」となってしまいがちな用語が問われる感じです。
参考書を読む際は、用語を正確に覚えることを意識して読み進めるべきでしょう。
また四択問題については、対策アプリの問題よりも全体的にワンランク難しい印象で、出題の形式・傾向もアプリとはちょっと違います。
とはいえ問われる論点やポイントは基本的に共通しているので、「アプリの問題集の解説部分も読み込んで、本質をしっかり理解する」ことを意識した勉強をしておけば、正解を選べる実力はじゅうぶん身につくはずです。
試験結果は会場試験の場合は解答送信後に即判明、リモート試験の場合は10日後に出ますが、私は84点で無事合格でした!
カテゴリ別の得点率は以下のとおり。
①与信管理の基礎 71%
②信用情報の収集 88%
③財務分析・定性分析 88%
④与信管理制度の構築と運用 77%
⑤契約法 87%
⑥債権保全と債権回収 87%
全問正解できたカテゴリは残念ながらありませんでしたが、裏を返せば各分野バランスよく得点できていたともいえそうです。
全体的な感想としては、「どんな業種のビジネスでも非常に重要なことなはずなのに、意外と体系的に知識やノウハウを学ぶ機会が少ない」与信管理という世界をあらためて意識するきっかけとなり、たいへん有益でした。
1級についてはさらに専門的な知識が問われる高度な内容になりますが、中小企業診断士や簿記検定1級、ビジネス実務法務検定1級などの資格を持っていると一部科目免除を受けられたりもするので、いつかは目指してみたいと思います!
ということで本日もお疲れ様でした。
※この記事は株式会社イー・コミュニケーションズが受験料を負担し、かつ原稿料をお支払いしています








